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ネット通販の送料無料は、なぜ購入金額2,000円からなのか?

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多くのネット通販では、購入金額2,000円から送料無料となる。なぜ2,000円なのか?

ネット通販の配送料は売上の5%

ネット通販会社の決算書によれば、売上に対する配送料の割合は約5%になっている。例えば売上1,000億円の通販会社なら、配送料は売上の5% 約50億円だ。

この比率で考えると、購入金額2,000円の配送料は5%の100円となる。しかし、1個の荷物の配送料が100円ということない。それでは、なぜ2,000円で送料無料とするのだろうか?

 

通販会社の原価率を計算する

売上 100%
原価率 45%~60%
販売管理費(配送料も含む) 15%~20%
利益率 20%~40%

通販会社と言っても様々あるが、売上の多いサイトの原価率は60%程度だ。

例えば、販売価格2,000円で原価率60%なら仕入れ価格は1,200円となる。

1,200円で買ってきて、2,000円で販売するので粗利益は800円だ。この粗利益800円の中から販売管理費(配送費を含む)を捻出することになる。

一般に販売管理費(配送費を含む)は販売価格の20%で400円になる。粗利益800円から販売管理費(配送料を含み)を引くと利益は400円となる。

 

ネット通販の配送料はいくらなのか?

2013年に佐川急便(SGHD)はアマゾンの宅配業務から撤退し、ヤマトHDが参入した。当時の宅配料金は1個当たり300円程度と言われた。

2015年現在、ヤマトHD 、佐川急便(SGHD)の1個当たりの平均宅配料金は約500円となっている。これは、個人向けと大口法人向けの料金の平均なので、大口顧客向けは平均単価の500円よりも安いと考えられる。恐らく350円前後と推定される。

 

購入金額2,000円で送料無料にして赤字にならないか?

ネット通販の配送料は売上の5%なので、2,000円の商品ならば本来、配送料100円でなければならない。

しかし、現実には配送料は350円なので、採算はとれているのだろうか?

売上2,000円のうち原価1,200円(売上の60%)と販売管理費400円(売上の20%)なので、利益は400円となる。

ただし、販売管理費は配送料100円(売上の5%)として計算しているので、配送料350円とすると250円分が入っていない。したがって、売上2,000円で利益は400円だが250円を引いて最終的に利益は150円ということになる。

ネット通販会社としては2,000円で送料無料にしても、なんとか5%程度の利益を確保していると思われる。

 

ネット購買者の平均購入金額

ネット利用者の年間平均購入金額は約15万円で、年間13回利用し、1回当たりの平均購入価格は約1万1500円となっている。

配送料は2,000円から送料無料だが、実際の平均購入価格は1万1500円だ。この場合、配送料を5%で計算すると575円となる。大口顧客向けの配送料金は350円と推定されるので、十分採算が取れている。

 

最もネット通販で購入するのは60歳代女性

ネット通販をもっとも利用するのは60歳の女性だった。ネット通販は20歳~34歳の女性いわゆるF1層が多いと予想したが、意外にも60歳代の女性がもっとも利用していた。

F1層(20歳~34歳女性)はファションなどリアル店舗で購入する。具体的には年間10回、一回当たり約6,000円で年間合計約6万円をネット通販で購入する。

一方、60歳代女性は年間14回、一回当たり約1万6000円、合計約22万円購入している。60歳代女性は家庭の定番の日用品をネットで買うことが多い。わざわざリアル店舗で買わなくても、配達してくれるネット通販を利用している。

 

ネット通販各社の売上(流通総額)ランキング

会社名 売上高 概要
楽天 2兆円 国内EC流通総額 楽天市場、楽天トラベル
ヤフー(日本) 1兆5000億円 流通総額、ヤフーショッピング、ヤフートラベル、ロハコ、ヤフオク
アマゾン(日本) 1兆円
アスクル 3,150億円
ジャパネットたかた 1,500億円
ニッセン 1,500億円
ディノス 1,200億円
千趣会 1,100億円
ヨドバシ 1,000億円
ビックカメラ 660億円 ソフマップ、コジマも含む
ジョーシン 500億円

 

まとめ

2,000円以上送料無料とすることで、自社サイトでユーザーに日常の買い物をしてもらう。そして、1万円以上の高額品も自社のサイトで購入してもらうよう誘導している。

1回当たりの平均購入金額は1万1500円なので、配送料350円は十分にカバーできている。最もネット通販購入金額の少ない20代女性でも1回当たりの平均購入金額は約6,000円なので、配送料5%とすると300円になる。実際の配送料は350円だが、50円だけ利益が減ることになるがそれは販売価格の1%未満だ。

楽天市場は中小企業の出店が多く、1店舗当たりの販売個数が少ない。したがって小口配送のため、1個当たりの配送料が高い。恐らく500~700円だろう。

楽天市場出店企業の多くが購入金額5,000円以上から送料無料としているのは、小口配送料金で割高になっているためだろう。

ネット通販で最も購入金額が多いのが60歳代女性なのに、なぜ楽天は社内英語公用語化をしたのだろか?楽天の顧客層と社内英語公用語化はミスマッチに思える。顧客の立場からすると社内英語公用語化よりも配達日数を短く、配送料金を安くしてもらった方がいい。

 

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