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沖縄の「富裕層ビジネス」は成功しない?

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沖縄県は、外国人富裕層を集客する「ラグジュアリー・トラベル・ディスティネーション」という構想を持ち、海外や日本各地で調査やプロモーションを行っている。

しかし、2016年時点では、沖縄の富裕層ビジネスは成功していないようだ。

(この記事は2016年に書いたが、2021年現在、沖縄の富裕層ビジネスは成功しつつあると思う)

 

沖縄県観光振興基本計画 平成33年(2021年)目標

2016年度実績 2021年(平成33年)目標
観光収入(旅行・観光消費額) 6,602億円 1兆円
1人当たり観光客平均消費 7万5297円 10万円
平均宿泊日数 3.8日 5日
観光客数 876万人 1000万人(国内800万人、海外200万人)

2016年度の1人当たり観光客平均消費額は75,297円で前年比-584円と減少している。

これはクルーズ客が増加しているのが原因だ。クルーズ客=富裕層というイメージがあるが、世界的には1泊3食で1万円という「カジュアルシップ」が主流だ。

クルーズツアーでは3食とも船内で飲食するので、沖縄本土ではランチや軽食程度しか食事しない。

また、飛行機で沖縄に来る外国人もLCCを利用した節約型の旅行者が増加し、空路の外国人旅行者の平均観光消費額も減少している。

結論として、沖縄県の富裕層取り込みは完全に失敗している。

 

ホテル代の値上げだけに終わった沖縄の富裕層ビジネス

2012年~2015年にかけ、観光客増加により、沖縄のホテル代金は1~3割上昇した。それを沖縄の観光産業関係者は「富裕層取り込み」と言うのだろうが、結局は、単にホテル代の値上げでしかない。それは、将来的に、日本人の観光客減少という結果を招くだけだ。

2016年の沖縄の観光シーズンは3月初旬から本格的に始まったが、全国的なビジネスホテルチェーンの15㎡の客室で土曜日なら3万円まで値上げされていた。

他のホテルでも、直前に予約すると平日で1泊2万円はあたりまえ。しかも駐車料金は1泊1,500円に値上げされていた。

 

なぜ沖縄県の富裕層取り込みは失敗したのか?

沖縄県は国内線免税店など特別な優遇政策を受けているにもかかわらず、富裕層の取り込みに失敗している。その原因は、高級ホテル、高級ブランド店での接客の悪さにある。

沖縄県は本土と比較して一般に接客が悪い。特に高級ホテル、高級ブランド店は、東京や大阪のサービスに慣れた客なら、あきれるほどの接客が悪い。

まず、従業員の知識がない。高級ホテルのレストランで食事をしても食材に質問してもわからないし、高級ブランドの商品知識も乏しい。

沖縄で有名な老舗ホテルで食事したとき、皿がウエッジウッドのユーランダーだったので、そのことをウエイターに言うと、そのウエイターはウエッジウッドを知らなかった。

 

沖縄県人はほとんど沖縄から出たことがない?

沖縄人は、東京や大阪などの大都市の高級ホテルや高級ブランド店に入ったことがないようだ。したがって、接客のレベルそのものがわからない。当然、自分の接客が悪いという自覚もない。

 

富裕層消費を分かっていない

沖縄人は、単に、高額品や豪華な建物を作れば、それで富裕層が来て消費額も増加すると思っているようだ。しかし、それは富裕層ビジネスを知らない人の考えだ。

富裕層は、単に物や豪華なホテルにお金を払うのではなく、「ストーリー」「豊かな体験」にお金を払う。

例えば、今朝、石垣島沖で一本釣りした漁を空輸したと言った「ストーリー」にお金を払う。

富裕層ビジネスには、その「ストーリー」を説明することが重要なのだが、それが沖縄人にはできない。

沖縄人は、どんな漁法かなど気にしていない。したがって富裕層が期待する「ストーリー」はいくら待っても聞けない。

 

沖縄に富裕層ビジネスは無理

沖縄の接客レベルは東京や大阪に遠く及ばない。海外から富裕層を取り込めるはずもない。東京や大阪レベルの接客できる人は本土に移住するだろうから、沖縄の接客レベルは向上しない。

沖縄に高級ホテルができ始めたのは2000年の沖縄サミット以降だ。つまり、現在、20~30代の沖縄県人が子供のころ、さとうきび畑や草原だったところに高級ホテルができた。

さとうきび畑や草原で遊んでいた沖縄人が大人になって初めて高級ホテルを見たわけで、高級ホテルがどんなものか、わかっていない。

 

カビ臭い高級ホテル

沖縄の5月~10月は、カビの季節、多くの沖縄人は「カビ臭い」ことに慣れている。だから、高級ホテルでもスタッフも「カビ臭い」ことに気が付いていないのかもしれない。あるいは、気が付いても「これくらい普通」と思っているのかもしれない。

 

禁煙、分煙の遅れる沖縄

沖縄ではレストラン、ホテルの禁煙、分煙が遅れてる。これでは富裕層を取り込むことはできない。これも、沖縄県人は島外に行った経験が少ないので、沖縄を客観的に見る経験が少ないことが原因だろう。

 

沖縄の現状

数年前までは、富裕層向けだった豪華ホテルが沖縄にある。しかし、今では50㎡の広い客室に修学旅行生4名を宿泊させる修学旅行用ホテルになっている。

国際通りのファンションビル「OPA」は「ドン・キホーテ」となり、同じく「三越デパート」は、「お笑い劇業とお土産屋ビル」になって、その後閉店した。

おもろまちの「那覇メインプレイス」に客足を取られたという面もあるが、「那覇メインプレイス」も本土では当たり前のショッピングモールであり、富裕層ビジネスというわけではない。

那覇空港から車で2時間かかるところに高級ホテルを作って海外の富裕層が喜んでくるのだろうか? 富裕層がレンタカー借りて自分で運転するのだろうか?

しかも、景色のよくない沖縄道(高速道路)を2時間も走行しなければならない。

 

まとめ&補足

沖縄は、海外の高級リゾートを参考にしているらしいが、そもそも文化的背景が違いすぎる。

海外の高級リゾートは、欧米の植民地だったところが多い。数百年に渡って、現地人が富裕層である欧米人に仕えるという状態だった。その数百年の負の遺産が、今の高級リゾートに繋がっている。

沖縄が高級リゾートとして成功するには、沖縄の独自の文化を基に再構成するしかない。

そして、沖縄独自の「ストーリー」を、富裕層にアピールできるかにかかっている。単に豪華なホテルを作って、高級ブランド品を置けば富裕層を取り込めるという考えでは失敗するだけだ。

そもそも、沖縄人は富裕層を知らないわけで、富裕層ビジネスは無理。沖縄は低価格・多頻度旅行者を取り込むように方針転換すべきだ。

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