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横浜マンション 傾斜問題 見分ける技は、「N値」

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なぜ杭の深さが足りなかったのか?どうすれば、見分けられるのか?

横浜のマンション傾斜の原因は、杭の長さが短く、支持層(固い地盤)に達していなかったことだ。なぜ、そうなったのが原因を考えてみた。

 

関東地方はローム層(火山灰)が堆積してる

関東平野には、「関東ローム層」と呼ばれる軟弱な地層が広く堆積している。「関東ローム層」は、富士山などからの火山噴出物(細かい灰のようなもの)で地盤としては弱い。

この火山噴出物は、1万年で1m堆積するとされる。富士山は10万年前から噴火している。したがって、関東ローム層の平均の深さは「1万年で1m堆積」の10倍の10mと考えられる。

さらにこの問題を複雑にしているのは、山や谷など起伏のある土地に火山灰が堆積した場合だ。

今では平野に見えるところも、実は、10万年前は谷であった場合がある。谷に火山噴出物が堆積して、平野になった土地は、谷のくぼんだ分だけ、関東ローム層は10mよりも深い。

 

N値とは?標準貫入試験(SPT)

地盤の固さを表す数値をN値という。N値とは、鋼管(サンプラー)を30cmの深さに打ち込むまでの回数を言う。

例えば、20回の打ち込み回数で30cmの深さに到達すると、N値=20となる。

このN値の値が大きいほど「固い地盤」と言える。

中高層マンションの場合、N値=30~50であれば適正とされる。

この「N値」はマンション購入時には、知っておくべき用語だ。大規模マンションであれば、敷地の数か所で標準貫入試験を実施することが多い。その複数箇所のN値にバラツキがあれば、地盤が複雑になっていると推定できる。

例えば、N値がほとんど30であれば、地盤は水平で特に問題はない。しかし、N値が20だったり30だったりすると、地盤が均一でないと推定できる。

 

横浜のマンションの問題

横浜の地下の地盤は複雑で、マンションの敷地内でも支持地盤の深さが異なっていた。事前のボーリング調査では、地下14メートル付近に支持地盤があるとされた。しかし、2015年に改めて調査した結果。地下16メートルに支持地盤があったと分かった。

ボーリング調査は、20メートル四方(あるいは30メートル四方)に1か所程度しかしない。したがって、ボーリンク調査の隙間の地盤が、たまたま深くなっていれば、見逃されることになる。

 

マンション建設前の工場の杭は18m

マンション建設の前は大手企業の工場があったが、その杭の一部の長さは18mだった。

 

建設会社は杭の深さを14mで設計していた

マンションの設計をした建設会社は、杭の深さを14mで設計していた。ボーリング調査の深さ14mという数字から設計したのだろう。

しかし、現場の地下の地盤は狭い範囲で支持地盤の深さが異なるという複雑なものだった。

杭打ちした担当者は、設計通り深さ14mまで杭を打ち込んだ。しかしデータが取れてなかったため、別の杭のデータを流用したと言う。

 

疑問点

ボーリング調査の専門家が14mと判断した。建設会社も14mで設計した。現場の杭打ち担当者も14mまで杭を打った。

ボーリング調査が不正確な場合、それを訂正するのが、現場の杭打ち担当者だけになっている。こういう体制で、安全性を担保できるのだろうか?

 

杭工法は「ダイナウイング」という新工法

従来の杭の3本分の強度を持つので、従来よりも杭の本数を少なくできる。しかし、杭を継ぎ足すことができない。

設計よりも長い杭が必要になっても、新しい杭を工場で作るのに一ヶ月かかる。

もし、杭打ちをやり直すとすると工期が一ヶ月伸びることになる。現場の杭打ち担当者の報告しだいでは、工期が一ヶ月伸びることになる。

 

見分けるポイント

関東ローム層の平均の深さは10mだから、設計図で杭の長さが10mより長い場合は、数千年前は、谷、窪地、湿地だった可能性がある。

ただ、杭の長さが12mあるいは14mの場合でも、特に支持地盤が深いということはない。結局、杭の長さが10mより長い場合は、より慎重に地盤に注意するということしかできない。

ボーリング調査を見れれば、もう少しわかるが、これ以上は専門家でも地盤がどうなっているかはわからない。

 

全国の地盤がわかるサイト

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古い地名を参考にする

古い地名で「丘」とついている土地がいい。「谷」という地名は避ける。渋谷はまさに「谷」になっていて、雨が降ると渋谷駅周辺に雨が貯まりやすい。新興住宅地の「丘」は参考にならない。

周辺に、古い神社などがある。新興住宅地は谷を埋めて造成する場合がある。古い神社があればそこが造成されていないと推定される。

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