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「てるみくらぶ」はなぜ破産したのか?格安旅行会社のビジネスモデル 

2017/11/08

「てるみくらぶ」破産

「てるみくらぶ」(tellmeclub.com)は1998年創業のオンライン専門の格安旅行代理店で、2016年の売上195億円で資本金は6,000万円。

ハワイ、グアム、韓国、台湾、ベトナム、セブに現地法人を設立。

2017年3月27日に、「東京地裁から破産手続き開始決定を受けた」と発表した。

負債総額は151億円で、旅行申込者は8万人~9万人で、旅行代金の債務は約99億円となる見込み。

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粉飾決算の疑い

「てるみくらぶ」は、3年前の2014年9月ころから粉飾決算繰り返し 大幅赤字を黒字に見せかけた疑いがある。

2017年11月、「てるみくらぶ」山田千賀子社長が詐欺と有印私文書偽造・同行使の容疑で逮捕へと報道された。

 

粉飾決算手口

飛行機の座席を多く販売すると、航空会社から販売奨励金(インセンティブ/キックバック)を受け取ることができる。

破産手続き開始申立書によると、航空会社からの販売奨励金は2億円しかない。しかし、会社決算では、販売奨励金22億円を計上していた。

つまり、航空会社からの販売奨励金を多額に見積もることにより売上を水増ししていたと思われる。

 

山田千賀子社長の経歴

1950年島根県生まれ、神奈川県内の私立大学を卒業後、「てるみくらぶ」の前身である「アイ・トランスポート」社(1973年設立 創業者 益永高吉氏)に入社。

山田千賀子社長の入社時期は正確にはわからないが、1973年の会社設立直後と言われる。

山田千賀子氏は「アイ・トランスポート」のオンライン予約部署のトップを務めた。このオンライン予約部署が、1998年に分社化され、2004年に山田千賀子氏が社長に就任した。

山田千賀子社長の役員報酬は年間3,300万円。

なお、益永高吉氏は「てるみくらぶホールディングス」の取締役に就任している。

 

格安旅行会社のビジネスモデル

格安旅行代理店に旅行の申し込みをすると、どのエアラインか、どのホテルに宿泊するのか全く決まっていない。旅行の1週間くらい前に、飛行機やホテルが決まることが多い。

実は、旅行会社が顧客に販売する時点で、旅行会社は飛行機やホテルを正式には確保していないのだ。

そして、旅行出発日の1週間前くらいになって飛行機やホテルが安くなったときに仕入れて辻褄を合わせているのだ。

つまり、客に販売してから、飛行機やホテルを仕入れている。

例えば、客に10万円で販売した後に、8万円で仕入れができれば、2万円の利益になる。

しかし、客に10万円で販売した後、航空運賃、ホテル代が思ったより下がらずに12万円でしか仕入れられなかった場合には2万円の赤字になる。

このような赤字販売になっても、大量に航空機の座席やホテルの部屋を販売することで、エアラインやホテルチェーンからインセンティブ(販売奨励金)を獲得できる。

これにより、多少の赤字がでても、後からインセンティブで穴埋めすることができた。

 

航空運賃、ホテル代は世界的に上昇

2010年ころまでは、「9・11」、「サーズ」、「リーマンショック」などで、世界的に観光需要が落ち込むことがあった。

そのため、飛行機やホテルを安く仕入れることができた。

しかし、2010年以降は中国の経済成長に伴い、世界各地のホテル、航空運賃が高止まりしている。

このような世界的な旅行需要の高まりで、旅行出発日直前でも飛行機やホテルを安く仕入れることができなくなってきた。

また、エアラインやホテルチェーンは自社で会員を募集し、直販する傾向がでてきた。

さらに、エアラインは機材を大型機から中小型機に切替える傾向にあり、空席が大量にでないようになってきた。

このように、従来の格安旅行代理店のビジネスモデルが通用しなくなりつつあった。

そのため、ネット販売から、多額の経費がかかる新聞広告を利用するようになり、採算が悪化し破綻したと思われる。

 

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