神戸空港は2018年にも民営化される予定だが、関空と伊丹空港を運営する「関西エアポート」が神戸空港の運営権を取得する意向を示したとされる。ちなみに「関西エアポート」はオリックスとフランスのヴァンシなどが出資する空港運営会社。
これまで、「関西エアポート」は関空と伊丹空港の経営に集中するとして、神戸空港の運営権取得には消極的だった。
神戸空港とは?
開港 | 2006年2月 |
滑走路 | 2,500m×1本 |
発着枠 | 1日30往復(60便) |
年間利用者 | 約250万人 |
なぜオリックスは神戸空港の運営権を取得するのか?
1)伊丹空港、関西空港の利用者増加
伊丹空港は騒音問題から1日の発着回数が370回に制限されており、2015年度の利用者は1,463万人で飽和状態になっている。
また、関空は滑走路2本持ち24時間空港で、滑走路の発着回数は余裕があるが、ターミナルは余裕がなくなりつつある。
関空第一ターミナル(T1)の設計処理能力は2,500万人、第二ターミナル(T2)は400万人で合計2,900万人だが、2015年度の利用実績は2,405万人だった。
2017年には第三ターミナル(T3)が開業する予定だが、それでも400万人の処理能力で合計の処理能力は3,300万人となる。
2015年度の関空利用者は前年比20%の割合で増加しており、今後5年で関空のターミナル処理能力がひっ迫する可能性がある。
2)リニア中央新幹線の2037年開業へ前倒し
2015年度の伊丹~羽田路線利用者は約519万人。リニア中央新幹線開業でこの路線がなくなると、伊丹空港利用者は1,463万人から944万人減少する。また、伊丹空港のターミナルは築46年と老朽化しており、全面建替えとなると建設費は1,000億円と試算されている。中央リニアの開通により伊丹空港は廃港される可能性がある。そうなると、神戸空港も運営しておくメリットがある。
まとめ
関西エアポートが神戸空港の運営権を取得に動いている理由は伊丹空港、関西空港の処理能力が限界を超えた場合、神戸空港を利用するためだ。
また、中央リニア新幹線開通により、伊丹~羽田路線が激減し、伊丹空港利用者が減少すると、1,000億円と試算される築46年のターミナルビルの建替えができず、伊丹空港を廃港にする可能性がある。