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JAL777、エンジン出火、緊急着陸、重大インシデント

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2017年9月5日、羽田空港発NY行のJAL006便(ボーイング777-300ER型機)が離陸直後に左側第1エンジンから出火、約1時間後、羽田空港に緊急着陸した。

国土交通省航空局は、今回のトラブルを「重大インシデント」と認定した。

トラブルの原因は左エンジンのタービンブレードが損傷し、破片などで数百枚のタービンブレードが損傷し、一部はエンジンカバーを貫通していた。

 

タービンブレード

タービンブレードはジェットエンジンのタービンに放射状に取り付けられる羽のような部品で、ニッケル基超合金が使用される。

高温、高圧、高遠心力という過酷な環境で使用されるので金属疲労を起こしやすい。また、耐熱コーティングを施しているが、コーティンの状態が劣化するとタービンブレードが破損することがある。

 

航空機の整備は4種類

航空機の整備は飛行時間や飛行回数によって4種類の整備をする。

  • T整備 飛行機が到着してから出発するまでに行う 20分~30分
  • A整備 飛行時間300時間、約1ヵ月に1回実施、約6時間かかる
  • C整備 1年ごとに1回行う整備で整備期間は7日~10日
  • M整備 4年~5年に1回行う整備で、整備期間は20日~2ヵ月

 

JALは海外整備工場に整備委託している

今回の事故機がどこで整備されたかは、不明だが、JALはTAECO社(中国・アモイ)、SASCO社(シンガポール)でC整備、M整備を委託していると見られる。

また成田空港のJAL航空機整備センターでもC整備を実施してる。

過去、JALの海外整備委託工場で整備ミスが発生していた。

JAL海外委託工場で整備ミス―福建省アモイ市

整備会社「TAECO」は、中国の主要な航空機整備会社でアメリカ航空局の認定工場にもなっている。日本に比べてコストが割安で大規模整備の場合、日本国内の1/3の費用でできる。

引用 http://www.recordchina.co.jp/b6122-s0-c00.html

平成19年の国土交通省事務次官の会見で、国土交通省のJALの海外整備委託工場で整備の不具合が発生していることを把握しているようだ。

(質問)日本航空で海外に整備を委託していた飛行機の中で、整備の不具合等があったようなのですけれども、それについてのご見解と国交省としての対応をお願いします。

(国)事実関係についてまず申し上げますと、TAECO社という中国のアモイの整備会社です(略)

引用 国土交通省 http://www.mlit.go.jp/jikankaiken/jikankaiken07/070226.html

 

なぜ、JALは整備を海外整備工場でするのか?

JALは2000年代経営が悪化し、2010年に経営破綻した。整備コストを削減するために海外整備工場に整備を委託したと思われる。

 

MRO整備工場

民間航空機の整備(MRO)は、航空会社自社が行っていたが、新規参入エアライン、LCCなどが整備を外注するようになり、整備を専門に行う「民間航空機整備会社」ができた。

これを「MRO整備工場」といい、航空会社系と独立系がある。

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