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成田空港はどうなる?羽田空港国際化加速、「成田縛り」が逆効果

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成田縛り

2010年羽田国際化に際し、成田空港の空洞化を懸念する地元自治体に配慮し法的根拠のない独自ルールとして、「成田縛り」という運営方針がとられた。

それは、「羽田空港に国際線就航する場合、成田空港から撤退してはいけない」という運営ルールだ。

ヴァージンエアは2015年2月に成田から撤退したが、「成田縛り」の影響と言われる。「成田縛り」を適用すれば、羽田空港ーロンドンの路線開設するには、成田ーロンドン路線も維持しないといけないことになる。

しかし、ヴァージンエアにとっては、羽田と成田の2路線を維持することは無理なので、成田から撤退し26年間続いた同社の日本路線は消滅した。

成田空港の今後

羽田空港の国際化やLCCの就航など影響を受ける成田空港だが、今後どうなるのか?関西空港と比較しながら将来性を予想してみた。

 2015年(暦年) 成田空港 関西空港
利用者数 3,732万人 2,321万人
国際線 3,060万人 1,625万人
(日本人) 1,307万人 607万人
(外国人) 1,249万人 1,001万人
(通過客) 502万人
国内線 672万人 696万人
年間発着回数 23万回 16万回

成田空港は業績順調だが、トランジット客(経由便客)が多い

成田空港 3,721万人、関西空港 2,321万人と成田空港は関空の約1.5倍の利用者で、成田空港の業績は順調のように見える。

しかし、内訳を見ると成田空港はトランジット客(経由便客)が502万人と多い。これは米系航空会社が成田空港をハブ機能として利用しているためだ。

このトランジット客(経由便客)は、成田空港に用事があるのではなく、単なる乗り換え需要であり、もし、上海空港がハブ空港になれば、急速に減少する可能性がある。

実際、デルタ航空は羽田空港に米国向け路線が就航すると、成田空港からの米国7路線を撤退することを示唆している。

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ユナイテッド航空、成田~シンガポール便運休

ユナイテッド航空(米国)は2016年6月から成田~シンガポール便を運休する。これは、シンガポール~サンフランシスコ直行便を運航するためで、成田空港での乗り継ぎ便はなくなる。

直行便はボーイング787-9型機を使用する。飛行距離は約1万3600km、飛行時間15時間30分。

このように、飛行機の性能向上により、乗り継ぎ需要は今後減少すると考えられる。

成田空港の出入国外国人は意外と少ない

成田空港の出入国外国人1,249万人、これに対して関空1,001万人と約250万人の差しかない。

羽田空港に米国路線が就航すると

2016年冬スケジュールから北米便1日10往復(20便)が羽田空港に移動する可能性がでてきた。1便250人として、1日5000人、年間約180万人の減少となる。

さらに、デルタ航空は成田空港発着の北米7路線の撤退を示唆しており、トランジット客も減少する可能性がある。

上海空港は米国系エアラインのハブとなるか?

米国系エアラインは成田空港から撤退し、上海空港をハブ空港として利用しようとしている。

しかし、米中オープンスカイ協定は一部分の自由化にとどまり、共同運航などが制限されている。したがって、現時点では成田空港の方が条件がいい。

米中オープンスカイ協定が完全自由化になるのは今後5~10年程度かかると見られる。

トランジットの方が利便性が高い場合もある

NY~香港の直行便は約15時間かかるので、途中経由便にする方が利用者や航空会社にとって利便性、快適性、経済性がいい場合がある。

アジア各都市とら米国東海岸を結ぶ路線は日本周辺で経由便にする方が合理的だ。しかがって、今後も一定路線の経由便は存続すると思われる。

まとめ&補足

2016年2月16日からの日米航空交渉では、米国向けの羽田直行便が認められた。(昼間時間帯午前6時~午後11時)

国際線はファースト、ビジネスクラス客が少ないと、エコノミー席が満席であっても全体では赤字になる可能性がある。そのため、エアラインはビジネス客の多い空港に就航しようとする。

したがって2020年の東京オリンピック開催に向け、羽田空港の国際化の流れはとまらない。

成田空港は首都圏のセカンダリー空港になるしかない。トランジット需要は減少するが、需要は一定数あり、完全にトランジット客がなくなることはないだろう。またLCCも増加が見込まれるので、成田利用客が大幅に減少することはないだろう。

米系エアライン羽田空港に移転か?

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