国土交通省は、航空機内に持ち込めるモバイルバッテリーの規制強化を検討しているとみられます。現在のルールと、今後想定される規制強化の方向性を整理します。
航空機内におけるモバイルバッテリーの取り扱いは、安全対策として次のように定められています。
・預け入れ荷物に入れることは禁止
・手荷物でも160Wh(ワット時)を超えるものは禁止
・100Whを超え160Wh以下は2個まで持ち込み可能
・100Wh以下のものは個数制限なし
・実施時期:2026年4月
現在は、小型のモバイルバッテリーであれば複数個の持ち込みが可能となっています。
航空機内での発火事故や安全対策の強化を背景に、次のような規制が検討される可能性があります。
・予備電池とモバイルバッテリーを合わせて合計2個までに制限(容量に関係なく)
・モバイルバッテリーを使用したスマートフォン等の充電を禁止
・モバイルバッテリー本体への充電(機内電源からの充電)を禁止
2025年7月1日、国土交通省航空局(JCAB)および定期航空協会(定航協)が、「航空機内でのモバイルバッテリーの取り扱い」に関する新たな方針を発表しました。
これを受けてANA(全日本空輸)は、7月8日以降の国内線・国際線において、モバイルバッテリー(リチウムイオンバッテリー)の機内での取り扱いルールを変更することを正式に発表しました。
2025年7月8日以降、ANAに搭乗する際はモバイルバッテリーの取り扱いにご注意ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 収納禁止 | 座席上の収納棚には入れない |
| 保管場所 | 使用中は必ず目の届く場所に置く |
| 異常対応 | 異常があればすぐに申し出る |
- モバイルバッテリーは収納棚(オーバーヘッドビン)に入れてはいけない
- 使用中(充電中)は、座席ポケットなど常に目視できる場所に置くこと
- 手荷物として機内に持ち込む際も、取り出しやすい状態を保つこと
- 充電中は布製ポーチなどに入れたままにせず、むき出しの状態で目視確認できるようにする
- 発熱や異常を感じた場合は速やかに客室乗務員へ申告する
特に収納棚に入れることの禁止は、これまでの取り扱いから大きな変更点となっています。収納棚内で発煙が起きた場合、発見と初期対応が遅れ、大きな事故につながる恐れがあるためです。
国内外で、モバイルバッテリーを原因とする機内での発煙・発火・膨張などのトラブルが報告されています。
定航協の調査によれば、日本国内線においても過去1年間で数件の発熱・膨張事案が発生しており、その多くは乗客の座席やポケット、目視できる場所にあったため、すぐに乗務員が対応でき、大きな影響には至りませんでした。
しかし、より安全性を高めるため、モバイルバッテリーの取り扱いを統一・厳格化する必要があると判断され、今回のルール改定が実施されるに至りました。