飛行機の燃費はいくらなのか?
飛行機が1km飛行するために必要な燃料量を、飛行機の最大燃料搭載量と最大航続距離から以下の計算式で試算してみた。(個人ブログの試算であり100%の正確性はありません)
最大航続距離(km) ÷ 最大燃料搭載量 (L)= 1km飛ぶための燃料(L/km)
機材 | 最大燃料搭載量(L) | 最大航続距離(km) | 1km飛ぶのに必要な燃料(L/km) |
747-400 | 216,840(L) | 13,450km | 16.1(L) |
777-300ER | 181,280(L) | 14,685km | 12.3(L) |
787-10 | 126,000(L) | 11,600km | 10.9(L) |
787-8 | 126,000(L) | 14,800km | 8.5(L) |
767-300ER | 90,000(L) | 10,820km | 8.3(L) |
737-800 | 26,020(L) | 5,665km | 4.6(L) |
LCC(格安エアライン)でよく使われるボーイング737-800の燃費は4.6L/km、つまり1km飛行するために4.6Lの燃料が必要になる。
1km飛行するのに必要な燃料は、737-800は4.6Lで、777-300ERは12.3Lなので、一見737-800の方が燃費がいいように思える。
しかし、737-800の座席数177座席で、777-300ERの座席数は最大550座席と座席数が違うので単純には比較できない。
そこで、次に1座席当たりの燃料費を計算してみる。
航空機用ジェット燃料は、日本で販売されている灯油とほぼ同じ成分のケシロンを使用している。
日本の航空会社の燃油サーチャージは、シンガポール市場のケシロン価格(1バレル=約159リットル)から計算している。
2024年2月~2024年3月の2ヶ月平均価格は1バレル=102.81 US$(1ドル=149.52円として、15,373円)。
1リットル当たりの価格は、15,373円÷159L≒97円となる。
機材 | 最大座席数 | 1km飛ぶのに必要な燃料(L/km) | 1km1座席当たりの燃料代 |
747-400 | 569座席 | 16.1(L)1,562円 | 2.7円 |
777-300ER | 514座席 | 12.3(L)1,193円 | 2.3円 |
787-10 | 429座席 | 10.9(L)1,057円 | 2.5円 |
787-8 | 335座席 | 8.5(L)825円 | 2.5円 |
767-300ER | 270座席 | 8.3(L)805円 | 3.0円 |
737-800 | 177座席 | 4.6(L)446円 | 2.5円 |
- 777-300ERは747-400よりも1座席当たりの燃費が約2~3割がいい。
- LCCでよく使用される737-800だが、実は777-300ERの方が1座席当たり燃費はいい。
- 787-8は、767-300ERより、1座席当たりの燃費が約2割がいい。しかし、777-300ERよりも燃費が悪いかもしれない(当ブログ試算)
- しかし、着陸料は787-8が777-300よりも安いので、トータルの運航経費は787-8の方が安いかもしれない。
- 787-10と787-8の1座席当たりの燃費は同じで、777-300ERよりも燃費は悪いと思う。
航空燃料(ジェット燃料)はケロシンと呼ばれるもので、灯油の成分とほとんど同じだが、詳しく言うと違いがある
まず、上空10,000mでは気温が-50℃になるので、航空燃料(ケロシン)は低温でも凍結しないように水分を除去しているので、比重がガソリンよりも軽い。
また、ガソリンの引火点は-40℃だが、ケロシンは+40℃でガソリンよりも引火点が高く引火しにくい。
国際価格は、ケロシンの方がガソリンよりも安い。
日本の国内線用航空機燃料には1キロリットル当たり26,000円(1L当たり26円)の航空機燃料税が課税されている。
国際線用航空機燃料には課税されないので、国内線の方が値段が高くなる。