日米航空交渉延期
2016年2月16日~17日に都内で日米航空交渉が開催される予定。事前の予想では、羽田空港の昼間時間帯の北米路線就航を協議すると思われている。
羽田空港の昼間時間帯とは?
羽田空港の発着枠は昼間時間帯(午前6時~午後11時)と深夜早朝時間帯(午後11時~午前6時)の時間帯別に割り振られている。
現在、国土交通省は羽田空港の昼間時間帯(午前6時~午後11時)に米国向けに1日9往復の発着枠を確保しているが、日米航空交渉で妥結できず保留になっている。(1日10往復という情報もある)
羽田空港昼間時間帯に就航予定のエアライン
JAL、ANA、アメリカン航空、ユナイテッド航空、デルタ航空の日本2社、米系3社の合計5社に対して、1社当たり最大1日2往復の発着枠が割り当てられる見通し。
アライアンス | 日本 | アメリカ |
ワンワールド | JAL | アメリカン航空 |
スターアライアンス | ANA | ユナイテッド航空 |
スカイチーム | デルタ航空 |
デルタ航空の考え
デルタ航空は成田空港を北米、アジアの合計15都市を乗り継ぐハブ空港として利用している。
羽田空港に1日1~2往復の発着枠を確保しても便数が少なくすぎて、羽田空港をハブ空港として利用できない。
また、成田空港に到着して後、羽田空港まで移動して北米便に乗り継ぐなど、現在より不便になる路線があることから、羽田空港の北米路線就航を拒否してきた。
アメリカン航空やユナイテッド航空は、日本航空や全日本空輸との共同運航便で乗り継ぐことができる。しかし、デルタ航空は所属するスカイチームに日本の航空会社はなく、共同運航ができないなど羽田空港に就航することは逆に競争力が弱くなると考えられる。
また、デルタ航空は成田空港に整備施設(ハンガー)を確保しており、羽田空港に就航すると、成田空港の整備設備が余剰になると懸念される。
米国政府の考え
米系エアラインの顧客は、羽田空港就航を望んでおり、米国政府も羽田空港からの米国路線の就航で合意する可能性がでてきた。
国土交通省の考え
国土交通省は2020年までに羽田空港の都心ルートを設定することを予定しており、今後、羽田空港の昼間時間帯国際線が最大3万9000回増加する可能性がでてきた。
羽田空港の都心ルートで増加する昼間時間帯枠(3万9000回)は1日に換算すと53往復(106回)になる。これに未利用の9往復を足すと1日62往復分となる。
今後、羽田空港国際線の枠を増やす予定があることから、羽田空港昼間時間帯の北米路線就航を推進させると見られる。