ある日本企業が中国人との会合に3,000円の高級仕出し弁当を用意したところ、誰も手をつけなかったというエピソードがあります。
理由は単純で、中国には「冷たい弁当を食べる習慣がない」からです。むしろ「冷や飯を食わせる」という言葉の通り、失礼な行為と受け取られてしまうことさえあります。
どうしても温かい食事を用意できない場合でも、せめてコンビニ弁当を電子レンジで温めて出す方が好印象を持たれるそうです。
実際、中国でコンビニおにぎりが登場した当初、「冷たいおにぎり」として全く売れなかったのも同じ理由によります。
訪日中国人の増加に伴い、日本のレストランでも文化の違いが見えるようになりました。
中国では「冷たい水は体に悪い」と考える人が多く、冷水を避ける傾向があります。
そのため、日本でテーブルに「冷たい水」が出されると、有料のものと勘違いして返してしまったり、常温の飲み物を希望したりするケースもあるのです。
中国では、朝食を自宅で準備するよりも、通勤・通学前に街中の屋台や飲食店で購入する外食文化も根強くあります。
蒸した饅頭、包子、揚げパン、豆乳、麺類など、手軽に食べられる温かい料理が朝食として人気です。
忙しい朝に外で食事を済ませるという生活スタイルだけでなく、「朝から温かいものを食べる」という食文化も、中国の食生活を象徴しているといえるでしょう。
そもそも、日本の「冷めても美味しい弁当技術」は世界的に見てもかなり珍しい文化です。
日本では当たり前の「冷たい弁当」「冷たいおにぎり」「冷水」も、中国人にとっては必ずしも当たり前ではありません。
訪日外国人が増えるなか、こうした小さな文化の違いを知ることは、飲食店や企業にとっても重要になっていきそうです。