共働き世帯の増加、在宅ワークの定着、家事の効率化が求められる今、「洗濯」はもはや“時短家電”の代表格です。中でも高性能なドラム式洗濯乾燥機は、干す手間を減らし、天候に左右されず、生活スタイルそのものを変えてくれます。
しかし、10万円台後半〜40万円台という高価な買い物だけに、「どれを買えばいいの?」と悩む人も多いはず。特に国内メーカーの2強、パナソニック(Panasonic)と日立(HITACHI)は、それぞれ独自の魅力があり、選ぶ際のポイントも異なります。
この記事では、「ドラム式を選ぶときの3つの視点」から、パナと日立を徹底比較。「失敗しない選び方」を解説します。
結論から言うと、家電量販店のおすすめ順は
- パナソニック
- 日立
- シャープ・東芝
多くの人は、最終的に「パナソニック」と「日立」のどちらにするかで迷うことが多いと思います。。
筆者は、パナソニックはDDモーター(モーター直結方式)ではないため、最終的に日立を選びました。
- 一人暮らしなら「洗濯6〜7kg・乾燥3〜4kg」、ファミリーなら「洗濯10kg以上・乾燥6kg以上」が目安。
- 実際には、洗濯・乾燥ともに7〜8割の容量で回す方がニオイやカビの発生を抑えやすいため、少し大きめのモデルが安心です。
2. 乾燥方式の違いを理解する(ヒートポンプ vs ヒーター式)
- ヒートポンプ式(パナソニック・日立の上位モデル・東芝など):省エネ・低温乾燥で衣類が傷みにくい。
- ヒーター式(日立など):高温乾燥でしっかり仕上がるが、電気代はやや高め。
- 「ふんわり仕上げ」「省エネ重視」ならヒートポンプ式がおすすめ。
- (ヒートリサイクル乾燥方式):運転時に発生する熱を回収し、乾燥時の温風に再利用するもので、現行モデルでは廃止されている(日立独自:2021年以前のモデル)。湿気を含んだ排気を下水の排水口に排気したため、排水トラップの水が一時的なくなり、下水からの悪臭が室内に入ることがあったため。
3. モーターの種類に注目(DDモーター vs ベルト)
- DDモーター(Direct Drive)は、モーターが直接ドラムを回す方式。静かで耐久性が高く、ベルトがない分、故障リスクが少ない。
- パナソニックはDDモーター非搭載、日立はDDモーター採用。
- 筆者はこの理由で日立を選びました。
4. お手入れのしやすさ(乾燥フィルター・排水フィルター)
- 毎回掃除が必要な乾燥フィルターや糸くずフィルターの位置・形状は要チェック。
- 日立の「らくメンテ」はフィルターが上部にない設計で好評。ただし、内部フィルターの目詰まりが原因の故障例もあるので注意。
5. 設置スペースと扉の開き方(左開き・右開き)
- 本体サイズと搬入経路(玄関・洗面所のドア幅)を事前に確認。
- 扉の開閉方向も、壁や洗面台の位置に合わせて選ぶことが大切。
6. 静音性・運転音をチェック
- 赤ちゃんがいる家庭や夜間に使う方は、運転音・脱水音の静かさが重要。
- DDモーターは、静音性に優れている。
パナソニックは、ヒートポンプ乾燥のパイオニアとして知られており、乾燥の「ふんわり感」や電気代の安さが大きな魅力です。
- ヒートポンプ式による省エネ・低温乾燥
- ヒートポンプユニットが上部に設置されており、メンテナンス性がよい
- モーターとドラムは「Vベルト」というゴムのベルトでつながっていて、モーターが回るとベルトを通じてドラムも回る仕組みになっています。購入後、約5年目以降はベルト交換が必要になる可能性がある
- 「ナノイーX」搭載で除菌・消臭に強い
- 自動投入機能(洗剤・柔軟剤)やスマホ連携が進化
- ヒーター式+風アイロンでシワが少ない仕上がり(上位モデルは、ヒートポンプ式)
- 「DDモーター」は、モーターとドラムが直接つながっていて、ベルトがありません。
そのため、構造がシンプルで壊れにくく、音も静かです。 - エントリーモデル以外は、「らくメンテ」タイプで上部に乾燥フィルターがありません(逆に内部のフィルターが目詰まりすると故障の原因になる)
- 洗浄力が高く、特に汗ジミや泥汚れに強い
- 洗剤・柔軟剤の自動投入機能もあり
比較項目 | パナソニック | 日立 |
---|---|---|
乾燥方式 | ヒートポンプ式(低温) | ヒーター式+風アイロン(高温)
(上位モデルはヒートポンプ式) |
電気代 | ◎(安い) | △(やや高め) |
洗浄力 | ○(泡洗浄・温水) | ◎(ナイアガラ洗浄) |
衣類へのやさしさ | ◎ | △(高温注意) |
シワの少なさ | ○ | ◎(風アイロン) |
メンテナンス性 | ○(フィルター簡単) | ○(エントリーモデル以外は自動おそうじ) |
スマホ連携 | ◎ | △(モデルによる) |
パナソニックも日立も、2025年のモデルはどれも高機能で信頼性が高く、簡単には優劣をつけられません。
- 電気代を抑えたい人、衣類にやさしく乾かしたい人は「パナソニック」
- パナソニックは、ヒートピンプユニットを上部に配置しており、メンテナンス性がよい
- パナソニックは、ヒートピンプ式のため、製品の重量がやや重い
- カラッとした乾燥、洗浄力重視、シャツのシワを減らしたい人は「日立」
- 日立は、ヒーター(上位モデルはヒートポンプ)を下部に配置しており、メンテナンス性がよくない
- らくメンテ(乾燥フィルターなし)は、掃除の手間がいらないが、逆に製品内部の「隠しフォルター」が目詰まりすると、製品の上部カバーをはずして、掃除する必要がある。(ユーザーでは難しい)
自分や家族の「洗濯スタイル」に合わせて選ぶのがベストですが、一番人気はパナソニックのようです。
ただ、製品寿命を5年と割り切って、5年の延長保証終了後にエントリーモデルを買い替えるという選択肢もあると思う。
ドラム式洗濯乾燥機は、故障リスクと修理費の高さに注意が必要です。
一般的に、ドラム式洗濯乾燥機は精密な構造をしているため、縦型に比べて故障が発生しやすい傾向があります。実際に、モーターや乾燥ヒーター、排水ポンプなどが故障した場合、修理費用は2万円〜3万円が相場。さらに、基板やモーターなどのユニット交換が必要になると、5万円〜8万円程度の高額な出費になることも珍しくありません。
そのため、家電量販店の延長保証(5年保証)には加入しておくことをおすすめします。メーカー保証は1年しかない場合が多く、2年目以降に故障した場合は大きな出費となることがあります。
製品の寿命はおおむね5年〜10年程度とされており、5年保証が切れたあとに大きな故障が発生した場合は、修理ではなく買い替えを検討した方がコスト的にも合理的な場合があります。