「金融資産5000万円」。
多くの人にとっては遠い目標であり、達成すれば人生は自由になるように思える金額です。
しかし実際にその額をシミュレーションしてみると、見えてくるのは「思ったほど余裕はない現実」と同時に、「生き方を変える選択肢を持てる精神的余裕」でもあります。
この記事では、5000万円という資産のリアルな意味を両面から掘り下げてみます。
まずはよくあるシンプルな計算から。
もし毎月の生活費を100万円とすると、年間支出は1200万円。
5000万円の資産を取り崩すだけで生活するなら、わずか4年分しかもたないことになります。
生活費を抑えても、
- 月50万円なら8年
- 月30万円なら13年
程度。
「自由に暮らす」には心もとない資産規模です。
不動産の観点からも、5000万円は「贅沢資産」とは言えません。
- 首都圏なら中古マンションの中堅クラス
- 郊外なら新築一戸建ても可能だが豪邸ではない
- 高騰する都市部不動産では「やっと普通の住宅が買える」程度
つまり、住宅購入を考えると、5000万円はむしろ「消えてなくなる資産」とも言えます。
「投資で増やせばいいのでは?」という意見もあります。
仮に年利5%で運用できても年間リターンは250万円。税金20%引かれて200万円になってしまいます。
「完全リタイア」へ無理です。
むしろ、ここからが「精神的自由」を手にするフェーズです。
贅沢する生活ではなく、普通の暮らしを選ぶなら、十分に現実的な水準です。
仮に40歳で5000万円を持ち、年収200万円程度の仕事を続けるとしましょう。
- 年間生活費:300万円
- うち200万円は仕事でカバー
- 不足の100万円を資産から補う
この場合、資産の減りは緩やかで、50年以上もつ計算になります。
実際には投資リターン5%なら250万円の利益(税引き後200万円)となるため、資産を毎年100万円づつ増やすことができます。
50歳で仕事をやめて資産を取り崩し、65歳から年金を受給するシナリオも現実的です。
- 50〜65歳:年間300万円ずつ取り崩して生活(15年で約4500万円)
- 65歳以降:年金を受給し安定生活
この設計なら、5000万円は「年金までの橋渡し資産」として十分に機能します。
もちろん65歳以降の年金は多くないため老後は心配ですが、それでも最低限の生活は守られるという安心感があります。
運用した場合
仮に5%(税引き後4%)で運用できれば、5000万円×5%=250万円(税引き後200万円)なので、毎年300万円を取り崩しても65歳時点で資産は約2,870万円残ります。
S&P500の過去10年間の利回りは10%なので、仮に10%(税引き後8%)で運用できれば、毎年300万円を取り崩しても65歳時点で資産は8,900万円残ります。
結局のところ、5000万円の本当の価値は精神的余裕にあります。
- 仕事が嫌になったら辞めてもいい
- 年収が下がっても怖くない
- 家族や趣味に時間を割く選択ができる
つまり、「働かなくても生きていける」というオプションを持つだけで、日常のストレスが大きく和らぐのです。
まとめ:5000万円は「ゴール」ではなく「自由の入口」
金融資産5000万円は、一生安泰ではありません。
しかし、生活費を抑え、働き方を調整すれば、セミリタイアや早期自由生活の現実的な入口となります。
- 毎月100万円の生活をすれば4年で尽きる
- 年間300万円の生活なら18年持つ
- 年間100万円~200万円の労働収入があれば資産は減らない
- 年金までの橋渡し資金としては十分
つまり5000万円は「ゴール」ではなく、自由な選択肢を持つための通過点なのです。