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フリーゲージトレインに未来はあるか?博多~長崎は暫定開業

2017/11/15

フリーゲージトレインとは?

日本の新幹線の線路幅(軌道幅)は1,435mmだが、JR在来線の線路幅は1,067mmとなっており相互乗り入れできない。

この不便さを解消するために、電車の車輪幅を1,435mmから1,067mmに変更できる電車が「フリーゲージトレイン」(FGT)だ。

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当初の導入計画路線

フリーゲージトレインは、当初、新大阪~高松(香川県)間に導入する計画だった。

しかし、山陽新幹線が時速300kmと高速化した結果、最高速度270km/hのフリーゲージトレインでは、山陽区間の時速300km新幹線の運行に支障がでると予想された。

そのため、フリーゲージトレインの山陽新幹線区間への導入は断念された。

 

最高速度は?

フリーゲージトレインの車両としての最高速度は270km/hだが、九州新幹線は整備新幹線のため路線の最高速度は260km/hとなっている。

 

九州新幹線と北陸新幹線に導入計画を変更

フリーゲージトレインの山陽新幹線区間への導入を断念した後、導入路線は「九州新幹線」と「北陸新幹線」へ計画変更された。

これは、九州新幹線と北陸新幹線は「整備新幹線」で、最高速度が260km/hのため最高時速270km/hのフリーゲージトレインでも既存の新幹線の運行に支障が出ないからだ。

 

フリーゲージトレイン導入予定路線  区間  開業時期
九州新幹線区間 博多~長崎 2022年暫定開業予定
北陸新幹線区間 敦賀~大阪 10年後を目途に検討中

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博多~長崎フリーゲージトレインの問題点

博多~長崎間のフリーゲージトレインは、最高速度300km/hの山陽区間に乗り入れしないので、新大阪駅からの直通運転はできない。

このため、関西方面からの利用者は、博多駅でフリーゲージトレインに乗り換えしないといけない。

山陽新幹線と九州新幹線の直通運転(新大阪~鹿児島間)が好調だが、関西方面の客にとってフリーゲージトレインは直通運転より利便性が悪くなるという問題点がある。

 

2022年の暫定開業

在来線特急

2022年に長崎新幹線の暫定開業が予定されているが、フリーゲージトレインの開発は耐久性の問題で難航している。

そのため、2022年の暫定開業時には、新幹線と在来線特急を乗り継ぐリレー方式になる。

その後2025年にフリーゲージトレインによる運行を開始する予定となっている。

区間 車両/規格 距離 線路幅
博多~新鳥栖 新幹線/フル規格新幹線 26km 1,435mm
新鳥栖~武雄温泉 特急/在来線 51km 1,067mm
武雄温泉~長崎 新幹線/フル規格新幹線 66km 1,435mm

現在、関西方面から長崎に行く場合、博多駅で新幹線から在来線特急に1回乗り換えるだけで長崎駅に行ける。

しかし、暫定開業では、関西方面からは乗り換え回数が2回~3回(博多駅、新鳥栖駅、武雄温泉駅での乗り換え)となり、利便性はむしろ悪化する。

 

地元ではフル規格を望む声も

地元長崎では、博多~長崎間を新幹線フル規格で建設を望む声が大きくなっている。新鳥栖~武雄温泉間(在来線51km)をフル規格新幹線で建設すると、新大阪から長崎まで直通運転できるからだ。

 

技術的にはどうか?

海外ではすでに、フレーゲージトレインが実用化されている。それはスペインだ。

スペインは隣国のフランス軍の進軍を懸念して、ヨーロッパ規格の1,435mmの線路幅ではなく、1,668mmのスペイン独自の線路幅を採用した。

そのためフランスからの国際列車はスペイン国内には乗り入れできなかった。そこで、軌道可変電車(フリーゲージトレイン)を開発し、すでに運行している。

 

日本とスペインのフリーゲージトレインの違い

スペインのフリーゲージトレインは客車の車輪幅を変更するだけで、動力車は取りかえる。

日本の場合、客車が動力車となる方式(重量分散方式)なのでスペインのような客車の車輪幅だけ変更する方式は採用できない。

 

まとめ&補足

日本の鉄道は1,435mmと1,067mmの線路があり、相互乗り入れできない。また、車輪幅の違う2種類の車両を作る必要がありコストアップになっている。

しかし、長崎新幹線に導入される予定のフリーゲージトレインの最高速度270km/h(運行最高速度は260km/h)で、しかも世界初の可変軌道動力車というのは技術的に難易度が高い。

フリーゲージトレインは構造が新幹線車両よりも複雑で、コストが高くなると予想されている。

当面、フリゲージトレインは最高速度100km/h程度の大都市近郊の通勤用電車として、「広軌(1,435mm)の私鉄や地下鉄」と「狭軌(1,067mm)のJR」との相互乗り入れに利用すべきだろう。

そうすれば、不可能と思えた日本の鉄道の線路幅の統一という大事業が可能となる。

100年後を考えた線路幅統一の中間段階として有望な車両だ。

2022年の長崎新幹線暫定開業は、武雄温泉~長崎(軌道幅1,435mm)のみをフリーゲージトレインか新幹線で運行する方が現実的だと思われる。

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